星を見る眼~一番はっきりしているものは浅い、遠いものは深く大きい~

「生きる意味」や「本当に大切なこと」は簡単には見つからないし表現力することも難しい。

 

スピード感溢れる現代を生きる我々は、要するに、わかりやすく、まとめると…等々結論を急ぎがちだ。そして答えを求めるあまり時として強い言葉(往々にして汚い)や断言にひかれ、それを真実と思い込んでしまうことがある。

 

そんなことを考えていたら、そういった人間の弱みに訴えかけてくる某国大統領候補や透析患者を中傷したような暴言で今話題(?)の某フリーアナウンサーがすぐに思い浮かんできた。これを扇動と言わずになんというのだろう。

 

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秋の夜空は美しい。

 

そのなかで最も大きく見えるのは間違いなく月だ。他の星も美しく輝いているが、月の大きさには敵わない。

 

しかしながら、一番大きく「見える」月が本当に一番大きいか?と言われたらそうではない。他の米粒のように小さく光る星であっても遠くにあるがゆえに小さく「見える」だけで、その実体は月よりも遥かに大きいのだろう。

 

そんなことは当たり前、と思っていても肝心なときにその当たり前がわからなくなるのが人間である。

 

簡単に答えを出す危うさをしっかりとおさえて、小さく輝く星の大きさを想像するように自信を持って何かを求めて迷ったり悩んだりしながら生きていきたいものだ。

 

一番はっきりしているものは浅い。遠いものは深く大きい。星が満ちていると。そのように星を見る眼が成長してくる。(安田理深)